野生生物研究室 ―東アジアの生物資源保護―


野生生物研究室は、2007年4月に創設された研究室で、主に朝鮮半島の野生動物種の保護を目的とした研究及び教育活動などを行う拠点となっています。
我が研究室では、1987年に同大学で開催された「第一回 朝・日渡り鳥保護シンポジウム」の開催を契機として、25年以上途切れることなく研究活動を行ってきました。
特に研究室が創設されて以降、8月29日に朝鮮民主主義人民共和国の研究機関との間に希少動物保護に関する共同研究合意書を調印し、その後には朝鮮半島に生息するカワウソを保護するための北南合同調査研究合意書も調印いたしました。もちろん、活動はそれだけに留まらず、同大学内で行われているクロツラヘラサギの人工育雛及び繁殖に関する研究や、ツル類などの希少な渡り鳥を保護するため、バードライフ・インターナショナル(BLI)や国際ツル財団(ICF)、多摩動物公園などの複数の動物園と連携をしながら多様な保護活動も活発に行っています。
それらの成果は、大学創立50周年に行われた「アジアの渡り鳥保護国際シンポジウム」や、55周年を記念して行われた「絶滅危惧種 野生生物保護シンポジウム」においてその成果が集大成され、海外の研究者や一般の愛好家、学生を含め多くの方に感銘を与えました。
前者ではアジアにおける希少鳥類の保護の中でも特にツル類とクロツラヘラサギに関する内容が報告され、後者では、これまで行われてきた研究室の活動報告に加え、チョウセントラやリス類の研究、平壌動物園と大田動物園の共同研究紹介、朝鮮の昆虫相に関する検討、そして、ネオニコチノイドによる環境汚染問題など幅広い発表が行われました。
研究室では近年渡り鳥やほ乳類に加え、これまであまり注目されてなかった昆虫類を含む無脊椎動物も研究対象に加えながら朝鮮半島の野生動物保護のための取り組みを積極的に行っています。
北南は未だに分断され、私たちは自由に往来することはできませんが、だからこそ我が研究室がブリッジ的な役割を担いこれからも独創的な活動を展開していきたいとのぞんています。